詩 其のニ



真白な紗羅の布のように
地に降りそそぐ 雪

はかなげで
壊れた世界を包む
僕のぼやけた目で見る
世界を

暖かく
この壊れた世界を包む
僕のふるえた指でふれる
世界を

雪は
このちっぽけな僕の
ちっぽけな
哀しみさえも
連れて
旅をする





僕は
なめくじのように
そこらへんを
ぬらしながら
さまよいあるく

涙が
ひとすじの
川となるまで

流す涙が
いつか
すくわれるまで

かれることのない
涙を
いつまでも





消えていくもの
変わっていくもの
朽ちていく時間
その中にある僕

変わらないものはなんだろう?
僕だけは変わらない
といえるだろうか?
いえないなら
僕とは・・・

答えなんか見つからない
さまよおうとも
それでも歩まなければならない僕に
幸あれ




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